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DIAMAS 葉山

ただ、海を眺める。
最高級の贅沢が、ここにある。

創業30周年の象徴として
誕生した、DIAMAS 葉山。
エスコン初の富裕層向けレジデンスに。
真の最高級に挑む。

  • 髙橋 亘Takahashi Wataru

    開発事業本部 建設企画部
    企画マネジメント1部 チーフ
    2015年度入社

  • 竹内 恭子Takeuchi Kyoko

    開発事業本部 首都圏開発1部
    マネージャー
    2016年度入社

#1

二度と出逢えない場所。
そこから、物語は始まった。

始まりは、コロナ禍。不確かさが広がるなか、他社が手を引いた用地があった。竹内は、その土地に強く惹かれた。「二度と出逢えない場所かもしれない」。そう直感し、手を伸ばした。場所は、葉山・森戸海岸。視界を遮るものはなく、富士山も、江の島も、森戸神社も、ひと続きの景色としてそこにある。海は眺めるものではなく、暮らしの中に入り込んでくる。波の音は、室内にまで届く。ここには、人が過ごす時間そのものを変えてしまう力があった。プロジェクトを動かしたのは、用地取得からプロジェクト推進までを担った竹内と、建築企画として設計を担った髙橋。二人が目指したのは、この場所に相応しい「最高級」をつくること。エスコンの最高級ブランド「DIAMAS(ディアマス)」の物語が始まった。

Research

葉山の「時間」を、住まいの中へ。

竹内が最初に感じたのは、葉山という土地が持つ「時間」だった。「都心と同じ一時間でも、ここでは体感がまるで違う」。急ぐ必要がない。張りつめる必要もない。ただ、ゆったりと呼吸をしているだけで、気づけば、いつもの日常が少しずつやわらいでいく。そんな葉山の時間を、そのまま住まいの中へ移し替えることが、このプロジェクトの鍵だった。暮らし方まで決めつけない。ここで暮らす人が、自分の速度で、自分らしい暮らしに舵を切れるようする。それが、「葉山で、暮らす」ということなんだ。

#2

この地でしか出逢えない時間と空間を。

富裕層向けのものづくりは、エスコンにとって初めての挑戦だった。そして、葉山・森戸海岸の最前列という立地は、強い魅力であると同時に、圧倒的なプレッシャーでもあった。でも「場所がいいから買った」「ラグジュアリーな住まい」そんな言葉で語られる建物にはしたくない。むしろ、その瞬間、この場所への敬意まで薄れてしまう気がした。では、「最高級」とは何か。天井高か、バルコニーの奥行きか、素材か、価格帯か。アンケートを重ね、手探りで仮説を積み上げていく中で、ひとつの答えに辿り着いた。それは、スペックを積み上げた豪華さではなく、目の前に広がる海に耳を澄まし、波の音と海風に包まれながら、日常の中で、ふっと非日常にほどけていく感覚。自然のなかで、旅をするように過ごす「時間」だと考えた。その想いを象徴する言葉として、コンセプトは 「Real Life Cruise」 に決まった。この地でしか出逢えない時間と空間をつくること。それが、DIAMAS 葉山が目指した、真の最高級である。

Decision

余白を、設計する。

通常の分譲レジデンスであれば、限られた面積の中に部屋数を詰め込み、効率よく価値を最大化する。それがセオリーとされてきた。しかし、建築企画の髙橋は、そのセオリーを選ばなかった。選んだのは、全戸100㎡超でありながら1LDKという大胆で挑戦的な間取り。部屋数ではなく、暮らしの中心となるリビングに、時間を委ねる間取りだ。詰め込まず、削り、「余白」を設計する。「物に溢れていることが豊かさではないし、住まいは何かを足して完成するのではない。人は、余白があることで、暮らしそのものを深く受け止められるようになる」。髙橋は、自分の中の常識を覆し、静かに決断した。

#3

最後まで信じて、託してくれた。
だから、前に進めた。

しかし、理想は描くだけでは、プロジェクトは成立しない。葉山の開発は、行政協議と近隣対応がとにかく難しい。行政は開発側ではなく、住民側を見ている。だからこそ、配慮と調整を誠実に積み上げ続けることが求められた。しかもここは、海の最前列。敷地内には、津波から地域を守る護岸擁壁がある。「自分たちの土地だから自由にできる」という話ではない。わずかな改修でさえ県との協議が必要になり、その対応だけで半年以上を要した。近隣から厳しい言葉を受けることもあった。竹内は振り返る。「相手側の立場からすれば、当然かもしれない厳しいお言葉に、心が削られる日もありました」。それでも答えは一つしかない。誠実に、回数を重ねること。役所、ゼネコン、設計者、外部協力会社、それぞれと粘り強く対話を続け、少しずつ前へ進めていった。結果として、取得から引き渡しまでにかかった時間は約5年。工事着工に辿り着いた瞬間、竹内は当社の伊藤社長に直接礼を伝えに行った。「本当にありがとうございました」と頭を下げたとき、伊藤社長が返したのは、労いの言葉だった。その瞬間、積み上がっていたものが一気にほどけて、涙がこぼれた。責任を背負い続けた自分がいたこと。そして、最後まで信じて、託し続けてくれた人がいたこと。その両方が、竹内の胸に押し寄せたのかもしれない。

Construction

美しい景色が、一番の材料だった。

美しい景色とは一番の材料。髙橋は、その景色を無駄にせず、ノイズレスにトリミングし、居室の中へ取り込むために、景色の邪魔になるものを、ひとつずつ丁寧に消していった。梁や柱の存在感を抑え、柱は壁の中へ。凹凸を極限まで減らし、視界が途切れない空間をつくる。室外機は屋上へ逃がし、バルコニーは奥行き2.7mを確保して、リビングの延長として成立させる。床材や軒裏の木板のピッチまで揃え、室内と屋外の境界を曖昧にしていく。髙橋が目指したのは、派手な装飾ではなく、景色と暮らしが溶け合う瞬間だった。DIAMAS 葉山が挑んだのは、足し算のラグジュアリーではなく、景色の価値を最大化するという発想。その挑戦はやがて、「最高級の贅沢とは何か」という問いへの、ひとつの答えになっていった。そしてその価値は、説明を重ねる前に、本物を知る人たちに自然と伝わっていった。

After story

ただ海を眺める。
届けたかったのは、そんな時間。

(竹内さん)
完成したと聞いたときは、まずホッとしました。このプロジェクトは時間もかかって、止まりそうになった場面も何度もありました。スケジュールは伸びるし、近隣対応も行政協議も簡単なことはひとつもない。それでも、誠実に回数を重ねて、チームで向き合い続けるしかないんですよね。そうやってようやく着工に辿り着けたとき、社長にお礼を伝えに行って…ちょっと恥ずかしいんですけど、涙が出ました。
そして完成して迎えた内覧会で、忘れられない光景がありました。普通なら傷の確認や指摘をして終わったら帰られるのに、DIAMAS 葉山は違っていて。午前中に来た方が夕方までずっと部屋にいらっしゃったんです。何かをチェックしているというより、ただ海を見ていたい、という感じで。その姿を見たときに、「この住まいが届けたかったのは、きっとこういう時間なんだ」と思いました。
(髙橋さん)
DIAMAS 葉山は、景色が暮らしに溶け込む状態をつくるために、これまでの「当たり前」を一つひとつ見直したプロジェクトです。そうやって景色と真正面から向き合う中で、自分の中の「豊かさ」の定義も変わっていきました。物に溢れていることが豊かさじゃない。部屋数を増やし、設備や素材を足し算していくだけでは、意外と心に残らないこともある。限られたスペースに詰め込むことが正解とされてきた、分譲住宅のスタンダードとは真逆の設計を経験したことで、「暮らしの質を上げるとは何か」「人の心に残り続ける設計とは何か」を、より深く考えるようになりました。
DIAMAS 葉山は、会社にとっても、自分たちにとっても大きなターニングポイントだったと思います。だからこそ、今後も同じことを繰り返したいわけじゃない。葉山のプロトタイプを増やすのではなく、別の場所、別の条件でも、新しい価値観を提示できる開発をしていきたいと思っています。