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TSUNAGU GARDEN 千里藤白台

「Ideal to Real」を体現する、
まちづくりを。

商業も、医療も、利便も、人のつながりも。
すべてを理想通りに描き直していく。

  • 佐々木 克之Sasaki Yoshiyuki

    開発事業本部 建設企画部 マネージャー
    2014年度入社

#1

エスコン史上最大の複合開発が動き出す。

千里ニュータウンの記憶が、いまも残る場所。大阪府吹田市藤白台。この地域でエスコンが向き合ったのは、約6ヘクタールの広大な敷地だった。分譲マンション642戸、戸建62区画。商業施設とクリニックモール、高齢者施設。さらに敷地内には保育園もつくる。住まいだけではなく、日常を支える機能までを一体でつくり上げる、エスコン史上最大の複合開発だ。この計画の中心にいたのが、建築企画部の佐々木。これほど多用途で、これほどのスケールを束ねる挑戦は、これまでのエスコンの中に前例がない。「会社にとっても、自分にとっても、史上最大のプロジェクトでしたね。だからこそ、理想をただのきれいごとで終わらせたくなかった」。エスコンのパーパスである「Ideal to Real」を体現する、壮大なプロジェクトが、いま動き出した。

Research

ならば、まちを進化させるしかない。

北千里駅から徒歩14分という距離は、武器にならない。しかも、まちは成熟し、住民の高齢化も進むなかで、日常の買い物は車頼み。飲食店も少ない。閑静さの裏側に、暮らしの負担が残っていた。そこでプロジェクトチームは、「普通に開発を進めるだけでは、このまちの暮らしは充実しない。ならば、まちを進化させるしかない」と発想を切り替える。御堂筋・箕面方面へ抜ける交通の要所に面し、東側には北千里高校が隣接し、北側には千里緑地の自然が広がる立地条件も追い風だった。藤白台が持つ景観を守り続けるコミュニティの強さや、子どもの安全を大切にする文化を守りながら、この「らしさ」を壊さずに暮らしの未来を更新する方法をゼロから組み立てていった。

#2

ライフ・デベロッパーとしての挑戦。

さらにプロジェクトは加速していく。吹田市から「スマートシティの考え方を取り入れられないか」という声が上がったとき、佐々木は迷わなかった。なぜなら見ていたのは、高齢化やコミュニティの希薄化といった、この地域が抱える課題だったからだ。買い物や医療を車なしで完結できること。人と人のつながりが、自然に生まれること。ただ便利にするのではなく、「住み続けられるまち」をつくること。その思想を、デジタルの力で支えると決めた。マンション単体をスマート化するのではなく、戸建・商業・医療・高齢者施設まで含めて、街区まるごとをひとつにつなぐ。住民はスマホや自宅のTVから、共用施設の予約や混雑状況の確認、カーシェア・シェアサイクルの利用、買い物や暮らしのサポートまで、日々の用事をスムーズに済ませられるようにした。さらに見守りや防犯、災害時の備えといった安心安全も、その暮らしの導線に組み込み、3年かけて独自の仕組みとして磨き上げていった。スマートシティ化は、ただの最新技術の導入ではない。新しい暮らしを提案する、「ライフ・デベロッパー」としての挑戦だった。佐々木は自負する。「大手企業にも負けないスマートシティを構築できたと思っている。ここは、全国のモデルになってもいい。」

Decision

デジタルも、自然も、利便性も。
すべてを、ひとつのまちへ。

レ・ジェイドシティ千里藤白台の意匠の核となったのは、千里緑地の自然だ。プロジェクトチームは、野鳥が訪れる森の気配を手がかりに、コンセプトを「木立に住まう」に決めた。目立つ建物ではなく、景色に溶け込みながら、確かに息づく住まいをつくる。その象徴となるのが、共用棟に連なるアーチ型ファサード。林立する樹木を思わせるリズムを建築へ翻訳し、外観だけでなく内装にもアーチを重ねていく。夜にはライブラリーに灯りがともり、空間が静かに浮かび上がる。また、敷地内には芝生広場を設け、共用棟を独立させた。子どもが集まり、親同士の輪が自然に生まれる場所を暮らしの中心に据えるためだ。さらに、このまちには商業施設とクリニックモールも整備され、お買い物から医療まで、日々の利便がまちの中で完結していく。デジタルだけでも、自然だけでも、利便性の追求だけでも完結しない。そのすべてを、ひとつのまちに溶け込ませていった。

#3

理想を、現実に変えていくために。

前例のない挑戦には、必ず「それ、本当に必要なのか」という声が上がる。社内にも、管理会社にも、慎重な空気は確かにあった。しかし佐々木は、言葉だけで押し切ろうとはしなかった。想いは熱量のままでは伝わらない。伝わる形に変えて、初めて前へ進む。やりたいことをデータとイメージに落とし込み、まちの未来を一枚ずつ見える景色にしていく。達成したいSDGsも、実現までの道筋も、すべて資料に落とし込んだ。その繰り返しで、ワクワクする未来を少しずつ現実に近づけていった。反対や懸念を、ひとつずつ受け止めて、ほどいていく。理想を掲げるだけではなく、「なぜ、いま必要なのか」という理由まで論理立てて組み立てる。やっていたのは、理想論の説明じゃない。理想を、現実に変えていくための証明だった。

Construction

すべてがつながることで、このまちは育っていく。

本プロジェクトでは、建物の完成をゴールにせず、住み始めたその先で、つながりが生まれていく仕掛けまで描いていった。まち開きイベントでは、隣接する大阪府立北千里高校とも連携し、吹奏楽部とダンス部がパフォーマンスを披露した。プロの演出を呼ぶのではなく、このまちにゆかりのある人たちと一緒につくる。そこに意味があった。芝生広場に集まった人たちが音に耳を澄ませ、子どもたちが自然に体を揺らす。そんな風景が、これからの日常の予告編になる。佐々木は言う。「マンションだけ、戸建だけじゃなくて、これはひとつのまち。北千里高校とも一緒に、地域でいろんなことができる。住み続けたいと思ってもらえるまちをつくれたと思います」。
このまちの名前は、「TSUNAGU GARDEN 千里藤白台」に決まった。自然も、他世代も、暮らしも、スマートシティによる安心安全も。すべてがつながることで、このまちは育っていく。人が集まり、にぎわいが生まれ、やさしさがめぐっていく。未来が花開く、大きなガーデンのようなまち。そんな理想が、まちの名前に込められていた。

After story

理想に向かって走り続けていく。

ここまでの規模で、まちづくりそのものを1から組み立てた経験はありませんでした。いくつもの要素を束ねながら、「こういうまちにしたい」という理想に向かって判断を重ね、関係者を巻き込んでいく。その難しさと面白さを、この場所で全部味わった気がします。途中で揺らぎそうになる瞬間もありましたが、最初に描いた理想だけはぶらさずに、最後まで走り切れた。その実感が、いまも自分の中に強く残っています。ひとつの成功事例というより、エスコンがライフ・デベロッパーとして進んでいくための「型」ができた。そんな手応えのほうが大きいですね。このまちで培った考え方や仕組みは、名古屋や北海道など、次のまちづくりにも生かされはじめています。この経験を糧に、これからも「Ideal to Real」を体現し続けます。