未来の賑わいと発展を見据え、
つくば市の“らしさ”を辿った再開発。
『住』だけの開発ではまちづくりとは言えない。
人々の往来が生む活気で、その街の新たな活性化を。
“ライフ・デベロッパー”としての、
『商・職・住』一体の複合開発への挑戦。
つくば駅前の大規模商業施設『西武筑波店』『イオンつくば駅前店』が2017年、2018年にそれぞれ閉店するなど、かつての賑わいが消えたつくば駅周辺。駅前の求心力が消えるということは、街にとって一大事。日本エスコンが考えたのは、築年数が経過しかつて街のシンボルであった商業施設を現在のマーケットに適したサイズにつくりかえること。具体的には、街のシンボルを全て解体するのではなく、『西武筑波店』では既存の建物を新しい商業施設・オフィスとしてよみがえらせ、『イオンつくば駅前店』は解体し駅直結のマンションを開発。日本エスコンならではの柔軟な発想の元、確実に事業収益を上げつつ、この地に再び賑わいを取り戻そうという想いが根底にあった。
不動産総合デベロッパーとしてこれまでの開発ノウハウを活かしながら、まさに地域に根差した「エリアマーケティング」が問われるプロジェクトが始動した。
つくば市の特性を掴むこと。そこから動き出した。まず重視すべきは、つくば市と言えば国の試験研究機関や、大学をはじめとする教育機関の拠点として形成された学術都市だということ。周辺地域を簡易的な地図に表すと、ロケットのような絵柄が浮き出てくるのも偶然ではないはず。そして、住民の世帯年収が1,000万超であり、教授や医者などの知識欲の豊富な職業に就いている方も多いことがわかった。つくば市はアクセスの良さも相まって、他の地域にはない高いポテンシャルを持ち合わせている。地域の特性を掴んだ日本エスコンは、つくば市ならではの『住』だけでなく、複合的な開発を通じた地域の活性化が必要だと確信した。
つくば市の歴史を遡り、地域住民の暮らしぶりを掴んだ日本エスコンは、総合デベロッパーとしての開発ノウハウを活かした複合開発へと進めていく。キーワードは『商・職・住』。『商』は既存の施設を改修し、新しい価値の提供へ。『職』は商業施設の一部の上層階をオフィスに。『住』は住民の暮らし方を捉えるだけでなく、新たなライフスタイルが生まれるような分譲マンションを。駅前に商業施設とオフィスと住宅を創り、「コンパクトシティ」を目指した、街の賑わいに新たな人の流れも取り入れた再開発プロジェクトを推進。プロジェクトの大枠が決まってきたところで、このプロジェクトの核に当たる分譲マンションの建築企画が、北川へと引き継がれた。
まちづくりにおいて特にこだわりを込めたのは、『住』にあたる分譲マンション『レ・ジェイドつくば Station Front』だと北川は語る。つくば市の新たなシンボルにもなるよう、駅側と道路側で表情が異なる外観デザインへ。教授や医者といった、国際的な研究会で海外にも出張されるようなターゲットを想定し、コンセプトを『Sophisticate※』と定めた。「賑わいある駅前・商業施設の『動』から住宅の『静』をつなぐアプローチには表情豊かな植栽を配しています。例えば、筑波山で採取して育てたシダ類を使うというこだわりを持たせました」。さらに北川は、エントランスで海外の高級ホテルのようなイメージを持ってもらえるよう、4住戸分のスパンに吹き抜けや植栽、ガラスのアート、ソファなどを設け、ゆったりとした空間に仕上げ、『住戸の数を減らしてでも商品性を追求したデザイン』を実現。「200戸規模の分譲マンションのメイン担当は初の経験でした。デベロッパーとしての責任とチームの支えが、前へ進む力だったと今でも思います」と、北川は成長を実感した。
※ 洗練された、教養のある、知的な。
『住』を担う『レ・ジェイドつくば Station Front』のプロジェクトは2021年3月から販売へのフェーズへと移る。開発・建築・販売が三位一体となって物件の魅力や価値をモデルルームに反映させ、どう伝えていくか、検討に検討が重ねられた。そして、「やってみようか」という一声で、接客を担うメンバーへと任命されたのは、当時入社1年目で初の販売業務に携わる花井だ。「右も左もわからなくて、何もかもが未知の領域でしたが、本当に良い商品だと自信を持っていたからこそ、魅力を余すことなく伝えることができました」と語る。慣れない接客の中で試行錯誤をしながら、生まれた疑問点を北川と解消していき、接客のチャンスを確実に掴んでいった。総戸数218戸の『レ・ジェイドつくば Station Front』は、メンバーの結束力によって、販売開始からわずか約4カ月で契約完売を達成した。
理想の『暮らし』を追い求めたこのプロジェクトは、『商』の開発にも大きな結果を残した。単なる商業施設のリニューアルではなく、元々の『つくばCREO』の内、旧西武筑波棟を『tonarie CREO』の名称とし、1〜3階を商業施設、4〜6階をオフィスへとコンバージョン。オープンの際に、多数のお客さまにあふれる光景を見た花井は、「地域に豊かさをもたらせたこと、そして月並みですが、日本エスコンのデベロッパーとしての仕事のすばらしさを感じました」と経験とやりがいを胸に刻んだ。また、「成長したね、と部内で声をかけていただけるようになりました」と、プロジェクトを通じた自分の変化を噛み締めた。分譲マンションや商業施設運営など広範囲にわたって、総合的な開発を行える日本エスコンだからこその『商・職・住』というキーワード。この考えのもとに着々と進み続けるまちづくりは、地域住民からの期待が今もなお寄せられている。
まちづくりを通じて、
地域と自分が成長する。
分譲マンションとして200を超える戸数を担当したのは、これまでのキャリアの中で初の経験でした。プロジェクトが進行する中で、複合的な観点でマネジメントし、商業施設との連携を含めて、着工フェーズへと移行できたのは、常に先を読んで動く日本エスコンのスタンスがあったからこそ。一つひとつのこだわりを採用し、形として具現化できるのは、ハコではなく、ライフスタイルの提案を通じて、理想を追求するマインドを一人ひとりが持っているからです。良いものにアンテナを張り、理解して、アイデアとして取り込んでいくのは日本エスコンならではだと思います。一つのまちづくりを通じて、その地域を元気にしたいという想いは、どの企業よりも強く、確かなもの。ほかにはないデベロッパーのおもしろさと成長が待っていますよ。
入社以前から進行していたこのプロジェクトにジョインしたので、販売の経験はなかったのですが、『レ・ジェイドつくば Station Front』が企画された経緯を知って、良い商品だと確信を持ってお客さまへ提案してきました。また、複合開発によるまちづくりを通じて、携われるプロジェクトの規模感や、地域のライフスタイルそのものを変えられた実感、さらにはつくば市がさらに成長していく期待感を心に刻めたと今でも思います。マンションの購入者の方からも「駅前、変わりましたね」と言ってもらえた時は、喜びもひとしおでしたね。その土地の求めているものを捉え、新たなライフスタイルを創造し、街に成長を届ける日本エスコンだからこその経験ができました。この成長を糧に、私自身も新たな価値をより多くのお客さまへご提供できるよう、自分の未来図に向けてさらに成長していきます。